「バプーオン」(Baphuon)は「アンコールトム」の中にある遺跡のひとつです。
三層からなるピラミッド型の遺跡で、正面にある「空中参道」と呼ばれるまっすぐに伸びる道が美しいです。
パッケージツアーなどでは省略されることも多いですが、時間のある場合にはぜひ訪れたい遺跡のひとつ。
全体的にレリーフなどの装飾は少なめで、上部へ登る階段が急傾斜なのも特徴です。
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①「バプーオン」の場所・行き方
「バプーオン」は「アンコールトム」の中にある遺跡で、「バイヨン寺院」の北西の位置にあります。
一般的には「バイヨン寺院」の観光後に北側から出て、そのまま歩いて「バプーオン」へ来ることが多いです。
入り口は東側になり約200メートルある長い参道をわたって中央部へむかいます。
北の方には「ピミアナカス」があり何気に南北に位置が一直線にそろっていることに気づかされます。
②「バプーオン」の入場料
「バプーオン」の入場には「アンコールパス」が必要です。
※「バプーオン」前でのパスチェックはありませんが、「アンコールトム」に入るときにパスチェックがあります。
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③「バプーオン」の歴史
「バプーオン」は11世紀中頃のウダヤーディティヤヴァルマン2世によって建設されました。
ヒンドゥー教の寺院でシヴァ神に捧げられました。
遺跡の高さは約34メートルですが、以前は上部に高い塔が建っておりその塔を含めると約50メートルの高さがあったと推定されています。
後にヒンドゥー教から仏教寺院へと変更されます。
そして現在なくなった上部に利用されていた石を用いて西側にある「大きな涅槃仏像」が造られたようです。
この「大きな涅槃仏像」は14世紀以降の後世に造られたと見られています。
④「バプーオン」の観光と見所
1、空中参道
「バプーオン」の入り口である東側に到着すると、遺跡へ向かってまっすぐに伸びる道があります。これが「空中参道」と呼ばれる道で約200メートルあります。
まだ最初の入り口ですがこの「空中参道」が「バプーオン」で最も人気があって撮影スポットになっている場所です。
遺跡に興味が薄い方や高いところが苦手な方は、この「空中参道」で写真だけ撮って次の遺跡へ向かってもいいかもしれません。
またこの「空中参道」の下の部分にもぐって写真を撮るのも一時人気になっていました。
(人が映ってないとちょっと寂しい写真になってしまいますが。)
参道の両側には池があります。
空中参道を越えると入場の禁止項目の表示があります。バプーオンは階段が急なことが理由だと思いますが、12歳未満の子供や妊婦さんも入場禁止になっています。
塔門をくぐると正面前に不思議な柱のようなものがたくさんあります。おそらくテラスがあったのだと思われます。
南北にひとつずつ崩れた経蔵が残っています。「バプーオン」ではあまり見かけないデバターの姿もあります。
なんだかこのデバターは珍しく弱々しいというか柔らかい雰囲気を感じて写真をパチリ。
2、急な階段とレリーフ
遺跡の上部へ登る階段は南側にあり、降りるのは北側と一方通行になっています。
なかなか傾斜がきついことが写真からもわかると思います。
全体的にレリーフの少ない「バプーオン」ですが、この階段下の塔門部分にはたくさんレリーフが彫られています。
他の遺跡に比べて動物のようなレリーフが多いような気がします。
ひとつ上段へ登るとぐるりと一周できるようになっています。
ただし中段の階層は回ってもそんなに見所はありません。
最上部へ登る階段はひとつめの階段よりもさらに傾斜がきついです。
高所恐怖症気味の方はやめた方がいいかもしれません。
途中で「この木製の階段大丈夫かな?」とか考えだすと怖くなるので考えないように…
そしてこの急な階段に気を取られて見落としがちですが、振り返ると実は階段付近にはこれまた沢山のレリーフがあります。
「バプーオン」にあるレリーフはけっこう階段付近に集まっているんです。
見にくい所によくあるのですが、「ラーマーヤナ」に関するレリーフが多いようです。
※人が多いときは階段付近をウロウロすると危険なのでお気をつけください。
登り切った所に置いてある注意看板。これが半分落ちかけてる様子がまた怖いんです(笑)
3、天空へ続くような扉
最上部の中央にはピラミッドのような山があり、その頂上部には扉の枠だけが残っています。
この扉が見方によってはまるで「天空へと続く扉」かのような神秘的な景色を見せてくれます。
※この中央部の山は現在進入禁止です。
がんばって階段を上ってきたかいもあって、最上部から見る入り口方面の景色が素晴らしいです。
まっすぐに伸びる空中参道が良いですね。
最上部は他に見所は少ないので、とりあえずひと休みして北側から階段を下りていきましょう。
4、大きな仏陀の像
階段を下りてきて西側へ回ると遺跡の側面に大きな寝ころんだ仏陀の像を見ることができます。
※写真の左側に顔があります。
全長約70メートルにもなる大きさです。逆に大きすぎるからか、意識していないと気づかずに素通りしてしまいそうになります。
石で作ってるなめらかな微妙なる曲線がすごいなと思います。お見落としなく。
最後はそのまま正面へ戻るか、また西側から「ピミアナカス」のある王宮エリアの方面へ続く道もあるのでどちらかに進みましょう。
以上、いかがだったでしょうか。
見所が多いような少ないような「バプーオン」。個人的にはけっこう好きな遺跡です。
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最後までお読みいただきありがとうございます。