シェムリアップから行ける遠方遺跡のひとつ「大プリアカン」。
崩壊した廃墟感に削り取られたレリーフ。
まだまだ訪れる観光客も少なく森の中に潜む秘境的遺跡。
今回は約10年ぶりの訪問にワクワク・ドキドキです(笑)
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①「大プリアカン」の場所
「大プリアカン」はシェムリアップから東へ約100㎞のところにあります。
昔はアンコールワットからベンメリア遺跡を経て、大プリアカンまで道がつながっていたようですが、現在はもう少し迂回して行くこととなります。
走行距離にすると約170㎞です。
位置する州はプレアヴィヒア州になります。
②「大プリアカン」への行き方・道
シェムリアップから「大プリアカン」まで、途中未舗装の道もありましたが全体的にでこぼこは少なく道のコンディションはよかったです。
ツアーを利用して行く場合は気にすることはないかと思いますが、ルートはいくつかあります。
いちばん一般的なのが国道6号線をプノンペン方面へはしり、ストゥンと呼ばれる場所を左折するルートかと思います。
今回そのルート利用で片道約3時間半でした。
道沿いに行けばさほど迷うこともないと思いますが、途中電波が入らなくなるエリアもありました。
遺跡の手前にあるタセン村。
超ド・ローカルですが何か買うものがあったらここで買っておきましょう。
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③「大プリアカン」の概要
崩壊具合も激しく、以前に比べ道がよくなったとはいえまだまだ訪れる観光客の少ない秘境的なる遺跡です。
一辺約5㎞にもなる広大な敷地を持ち、東側にこれまた大きな貯水池があります。
また過去に盗難被害にもあっており、遺跡内の多数のレリーフが削り取られています。
頭(顔)の部分だけ失くなっている彫刻やレリーフが多かったです。
「プリアカン」は「聖なる剣」の意味があります。
1、歴史
「大プリアカン」は最初11世紀半ばにスーリヤヴァルマン一世によって建造されたとされています。
その後、大きな改修なども含み最終的に14世紀初頭、アンコールワットの様式とアンコールトムのバイヨンの様式、そしてヒンドゥー教と仏教が混ぜ合わさったスタイルになっています。
2、入場料
入場料は5ドル、10ドル、2.5ドルなどいくつか情報がありましたが、今回は特に何も入場料は必要ありませんでした。
まだ訪れる人が少ないので不確定・係員の気分次第なところがあるのかもしれません…
3、名前
「大プリアカン」というのは主に日本語訳向けの名前で、アンコール大回りコースにある「プリアカン」と区別するためにそう呼ばれています。
一般的には「プリアカン・コンポンスヴァイ」(ព្រះខ័នកំពង់ស្វាយ)、
もしくは「プラサット・バカン」(ប្រាសាទបាកាន)と呼ばれます。
④「大プリアカン」の様子・写真
「大プリアカン」の見所は主に5ヵ所
- 大きな仏陀像「プリア・チャットモック」
- 四面仏の像がある「プリア・ストゥン」
- 崩壊の激しい「中央寺院」
- ガルーダが美しい「プリア・トコル」
- 象が見守る「プリア・ドムライ」
※この5カ所の間は車やバイクで移動できます。
1、「プリア・チャットモック」
最初に目に飛び込んでくるのが大きな仏陀像「プレア・チャットモック」。
ここに辿り着くまで大きな門や看板もないため、不意にあらわれます。
そしてやっと遺跡に着いたことを実感します。
高さ約10m近い巨大なる仏陀の像が四方を向いて立っています。
この「プリア・チャットモック」、おそらく大プリアカンの中で一番インパクトも強く写真映えするポイントです。
ですが「以前に訪れたときこんな像なかったよな~」と思っていると、どうやら2018年に修復されたものだそうです。
以前はわずかな痕跡しか残っておりませんでした。
↓約10年前に訪れた時の写真
2、「プリア・ストゥン」
「プリア・チャットモック」から少し進むと見えてくる「プリア・ストゥン」。
貯水池のちょうど西側に位置し、中央寺院へ向かう途中にあります。
かなり崩壊もすすんでおり、わさわさと茂る雑草たちに囲まれています。
その中央では四面の観音菩薩の像がニヤリと笑っています。
まるでベンメリア遺跡のようです。
隙間からのぞく四面仏の微笑みが神秘的ですね。
3、「中央寺院」
中央寺院の東塔門です。
現在修復中でした。
ちなみにここにトイレもあります。
お世辞にもキレイとは言えませんが、行きたい方はここで行っておきましょう。
塔門まえの参道の側面にはハンサのレリーフがぎっしり並んでいます。
知らないと全くここが参道なのかも気づかないくらいなので、忘れずに見ておきたいところです。
塔門の左右では顔だけ削り取られたデバター達を見ることができます。
体だけずれてマジックショーのようになっています。
塔門をくぐると平坦なまっすぐな道が続いています。
左右にも建物があります。
樹木の絡みついた妖艶な2つ目の東塔門が見えてきます。
手間のテラスの壊れ具合がいい味を出しています。
森の妖精がでてきそうな素敵な門をくぐり抜けます。
右手にラテライトの建物が見えます。
こちらは聖池の跡
残念ながら中央部はかなり崩壊が激しく、廃墟を歩き回ってるような感じです。
4、「プリア・トコル」
貯水池の真ん中に位置する遺跡「プリア・トコル」。
池の真ん中ですが現在は水が3分の1程度しか残っていないため歩いてたどり着くことができます。
※ただし雨季で水量が多い時期だともしかしたら、遺跡までたどり着けないかもしれません。
祠堂の角の四方に大きなガルーダの彫刻があります。
遠目でもパッと目に入ってくる美しさです。
ガルーダの下にも象やカーラなど様々な彫刻が見られます。
そういえばガルーダって鳥のわりにはこんなに高い位置で、こんなに大きくキレイなガルーダを見たのって珍しい気がします。
ガルーダ好きにはなかなか見ごたえのあるガルーダでした。
5、「プリア・ドムライ」
貯水池の東側にある「プリア・ドムライ」。
ドムライは「象」の意味で、名前のとおりに象の像があります。
小高い丘のようになっていて上から象が貯水池を眺めています。
袈裟のようなものも着ており信仰深そうな象ですね。
なんか形も丸々した感じで可愛らしいシルエットです。
下部にもデバター付きの外壁(かな?)が残っています。
角には上部の象とはまた違った姿の象の彫刻もあります。
遺跡の横にはちょっとしたよろず屋がありました。
飲み物やお菓子などが売っていました。
ちなみにこの貯水池はワニがいるので要注意らしいです。
以上、いかがだったでしょうか。
「プリア・トコル」のガルーダと「プリア・ドムライ」の象は、他の場所にある彫刻とはひと味違う愛らしい姿だったと思います。気に入りました(笑)
最後までお読みいただきありがとうございます。
↓「プリアカン」のあるアンコール大回りコース
↓ここまで来たら「サンボープレイクック」まで行っちゃう!?
↓行き道の途中で立ち寄れる大橋「コンポンクデイ」