カンボジアのシェムリアップには数多くの遺跡が点在しています。
一番人気があるのはやはり「アンコールワット」。
ですが、通常アンコールワットへ観光に行くときは周囲の遺跡と組み合わせることが多いのです。
そこで定番中の定番となっているメインコースがあります。
それがずばり「アンコール小回りコース」です!
コース名に「回り」と付いているように一周できるようなルートになっています。
アンコールワットを観光するツアーは、ほとんどこの小回りコースを回ることになります。
この記事ではそんな王道コースである「小回り」コースをご紹介いたします。
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目次
①アンコールワットを含む定番ツアー「小回りコース」
1、有名な三大遺跡が観光できる
なぜそんなに定番になっているかというと、アンコール遺跡群の中でも最も有名である
- 「アンコール・ワット」
- 「アンコール・トム」
- 「タ・プローム」
この三つの遺跡が小回りコースに含まれているからなんです。
※シェムリアップに来たら誰もが訪れるであろう三大人気遺跡が含まれているんですから、もう行くしかないですよね。
ちなみに小回りコースは英語では「Small Circle」や「Small Circuit」と呼ばれています。
小回りコースには上記の三つ以外にもいくつかの遺跡があります。
(下でご紹介いたします。)
パッケージツアーなど内容によっては有名どころしか行かない場合もありますので、その他の遺跡も行きたい方は事前にツアー内容を確認しておきましょう。
2、通常は時計回り
小回りコースの回り方ですが、通常は時計回りにまわります。
混雑を避けるためわざと反対まわりに回る人もいます。(避けられるかは不明です)
またアンコールトムから始め、最後にアンコールワット→夕日プノンバケンという回り方もあります。
②小回りコースの所要時間
アンコール小回りコースの所要時間は平均で約6~7時間くらいです。
ただしあくまで平均的な所要時間です。
広くて見どころも多い「アンコールワット」や「アンコールトム」で、どれだけ時間をかけるかで、全体の所要時間が変わります。
ツアーの場合は時間が決まっていると思いますが、それこそ遺跡マニアのような方であれば何日でも費やすことができるでしょう。
距離的には一周で約20km弱くらいです。
各遺跡の間が3kmほど離れているようなイメージですね。
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③ツアーやトゥクトゥク料金の相場
1、ツアー料金
日本語ガイド付きの団体ツアーで、半日コース30ドルくらいからでしょうか。
一日コースだと50ドル前後といったところです。
英語ガイドの現地ツアーだともっと安いものもありますが、日本語ガイド付きの方がおススメですね。
※特に限られた休暇をつかって旅行に来ている方は、ハズレに当たらないように。ガイドさんも日本人に慣れているし、日系の方が丁寧で安定感があります。
あとガイドさんは毎日のように遺跡に行っていますので、撮影ポイントにも詳しく写真をとるのが上手な方が多いです。特にひとりの方などはお願いして写真をとってもらいましょう。
※ガイドは正規ライセンスを持つガイドのみです。
アンコール遺跡でガイドするためには、正規ガイドのライセンスを取得した者のみが許されています。
またライセンスを取得できるのはカンボジア人のみなので、ドライバーや外国人(日本人含め)はガイドをすることはできません。正規ライセンスを持つガイドは規程の薄いオレンジ色っぽい制服を着ています。
日本語ガイド付きのツアーはこちらからでも予約できます。
2、トゥクトゥク・チャーター
トゥクトゥクをチャーターする場合は$15くらいが相場です。
朝日や夕日鑑賞を付けると少し料金があがるときもあります。
トゥクトゥクで観光に行く場合はドライバーは遺跡の中には入ってきません。
流れとしては以下のようになります。
- 遺跡の前で降ろしてもらう。
- だいたいの時間を決めて遺跡の中は自分たちの足で観光。
- 見終わったら、入り口(or約束した場所)でドライバーと合流。
- 再度トゥクトゥクに乗り込んで、次の遺跡へ向かう。
この繰り返しになります。
上に乗せた地図の緑のラインはトゥクトゥクで走れます。
たまに「アンコールワットまで片道チャーターして、あとは遺跡周辺でまた探すつもり。」
という方がいますが、基本的にあまりそういうトゥクトゥクチャーターの仕方はしません。
市内から往復一周でチャーターするのが通常です。
遺跡周辺のトゥクトゥクはすでにお客さん持ちのドライバーが多いです。
また広いので歩いて次の遺跡へ行くというのはあまり考えない方がよいでしょう。
3、自転車
100%自分のペースで行きたい、体力もあるという方は自転車で行くことも可能です。
街中でノーマルな自転車であれば1日$2くらいで借りられます。
自転車で行く場合に気を付けたいのが直射日光と水分補給です。
天候に関するものは避けようがありません。
※雨季の場合はスコールにうたれることも頭に入れておきましょう。
飲み物は遺跡周辺でも購入可能です。
あと途中で自転車がパンクしたりすることもありますので、ご注意を。
知ってる所ではアンコールワットの近くにひとつ修理屋がありました。
(空気とかも入れれます。)
④観光中の食事やトイレ
小回りコースの途中にはレストランや公共の無料で使用できるトイレもあります。
↓詳しくはこちらの記事をご参考ください。
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⑤アンコールワット小回りコースの遺跡群
それでは小回りコースにある遺跡群を時計回りに順に見ていきましょう。
1、アンコールワット【Angkor Wat】
いわずがもがなの「アンコールワット」。
絶対的なる存在感を放つ神秘的な遺跡。
- 誰が撮ってもどこから見ても絵になる素晴らしいシルエット、建造美。
- 第一回廊をとりまく膨大な量の繊細なレリーフ。
- 遺跡を華やかにする数々のデバター。
- 神聖な王の場所・第三回廊。
↓アンコールワットは書き出すと長くなるので、別記事に詳しく書きました。
2、アンコールトム【Angkor Thom】
次にあらわれるのが「アンコールトム」です。
非常に大きな遺跡であり、アンコールトムの中でも各見どころが分かれています。
一番有名なのはアンコールトムの真ん中に位置しており、四面仏の顔がたくさんある「バイヨン寺院」です。
アンコールトム全体の代名詞のようになっている場所です。
アンコールトムは全て見ようとすると一日では終わらないので、ツアーでは限られた場所しか観光しません。
バイヨン以外で観光されやすいのは「南大門」と「象のテラス・ライ王のテラス」です。
南大門は入り口となる場所で、門の左右にはナーガを引き合うたくさんの像が並んでいます。
象のテラスとライ王のテラスは南北にのびる長いテラスで、その側面に沢山のレリーフや彫刻があります。
↓アンコールトムも詳しくはこちらを合わせてご覧ください。
3、タ・ケウ【Ta Kev】
「タ・ケウ」は建設途中で王が亡くなったことにより、未完成でとまっているとされる遺跡です。
けっこう大きく高さもあり、外から見ると厚い城壁に守られているようで無骨で迫力のある外観です。
途中で建設が止まったこともあって、内部にも珍しくレリーフや装飾がほとんどありません。さらに石の角も角ばっているものが多く堅い印象を与えます。
例えばこの城壁。
アンコール遺跡でこんなにも高く外からの侵入者を寄せつけまいと感じる壁があるのはこのタ・ケウくらいじゃないでしょうか。
遺跡内には(中国による)修復の様子を描いたパネルが沢山あるのですが、現在いように遺跡の角が角ばっているのは修復によってできたものでもあるようです。
タケウの上部へ登る階段はかなりの急角度の石の階段なのでお気をつけください。
階段下にはナンディン像が祀られています。
【観光の所要時間】 40分くらい
4、タ・プローム【Ta Prohm】
木と遺跡の融合が見どころなジャングル魂をゆさぶられる遺跡「タ・プローム」。
人気遺跡のため少し道順には規制がありました。
遺跡に絡みつくように成長した大木。
そしてそれに潰されるでもなく絶妙なバランスで共存している遺跡。
生命力の強さや神秘さを感じられる場所です。
↓まるで根っこという名の矢が降り注いでいるかのようです。
アンジェリーナ・ジョリー主演の映画「トゥームレイダー」の撮影に使われたとして有名です。
↓こちらは前にいる外国人の女性が大木に飲み込まれてしましそうです。
一時期入場は東門のみで一歩通行になったとのニュースがありましたが、2019年1月現在どちらからも入場・退場可能でした。
西側の正面は車は侵入禁止になっており、お土産屋が並びトイレや大型バスが停まれるような広場ができていました。今はおそらく西側がメインの入り口のようですね。
↓東門は壊れていて屋根がありません。
↓こちらは東門から入ると最初の方にある伝説の話にでてくる髪の長い女の子のレリーフ。
見落としがちなので忘れずに。
↓中に入って拳で胸をたたくと「ボォ~~ン」と音の反響する祠。
↓大木の根っこの隙間から顔をのぞかせるデバター
大木が遺跡に絡みつく撮影ポイントは数カ所あるのですが、たくさん人が集まっているのですぐわかります。
団体観光客といっしょになってしまうと、なかなか順番が回ってきません…
↓仏教部分のレリーフが削り取られているのですが、人の形だけが残っており何者かが身を潜めているように見えます。
↓西門の近くには恐竜のような珍しいレリーフがあります。
【観光の所要時間】 1時間くらい
5、バンテアイ・クデイ【Banteay Kdei】
タ・プロームにつづき西側からも東側からも入れる遺跡。
東側の方がスラスランが目の前ということもあって賑やかです。
最初の東塔門をくぐると中央の遺跡まで距離があるので、道に左右に絵描きさんやお土産屋が並んでいます。
こちらは踊り子のテラス。
左右の柱に小さいけれど繊細な踊り子のレリーフが刻まれています。
遺跡にいたアプサラ機構のスタッフが教えてくれたレリーフ。
説明がよく分からなかったですが、私が日本人だと分かるとわざわざこのレリーフまで連れて来て教えてくれました。仏陀と像がどうやらこうやら言っていました。
そういえばこの「バンテアイ・クデイ」という遺跡は当初はヒンドゥー教だったのですが途中から仏教に変わったとされています。
西側から見た遺跡の全体像。
「タ・プローム」を感じさせる大木もあり、なかなか迫力のある風貌です。
西側端の入り口の門の角にはガルーダの彫刻がしっかり残っていました。
バンテアイ・クデイですが全体的にデバターが多いですね。
またバンテアイ・クデイには日本の上智大学アンコール遺跡国際調査団が関わっており、2001年にはたくさんの仏像や破片が発見されました。
それらは現在プリア・ノロドム・シハヌーク・アンコール博物館に展示されています。
【観光の所要時間】 45分くらい
6、スラ・スラン【Sra Srang】
バンテアイ・クデイのすぐ東に位置するのがスラスランです。
王の沐浴の池とも呼ばれる東西約700m、南北約300mの人口湖で、先に見えるテラスに上がれば目前に湖が広がります。
テラスにはシンハやナーガの像があり、周辺には小さな露店も並んでいます。
森林や遺跡に囲まれたエリアの中で、ふとこの湖にたどりつき眺めていると心が安らぎますね。湖のまわりはぐるっと一周することもできるようになっています。
現地カンボジア人の人達も水際にすわってご飯を食べたり休んでいたり、中には水遊びや魚を獲っている人もいます。
またスラスランの北側にはレストランが並んでいるポイントでもあります。
【観光の所要時間】 15分くらい(夕日鑑賞はのぞく)
・夕日鑑賞スポット
スラスランは夕日鑑賞スポットとしても有名です。
夕日を見るときはテラスのある西側の反対東側からになります。
東岸全体が夕焼けに染まってきます。
湖に夕日が反射して光りの影を伸ばしています。
遠くアンコールの森林の中へ夕日が落ちていきます。
非常にキレイに見えますが、遺跡はあまり関係してこないので特別感は薄いかもしれません。
7、プラサット・クラヴァン【Prasat Kravan】
「プラサット・クラヴァン」は反時計回りにまわると最初に目にする遺跡です。
五つの塔がならぶだけの小さな遺跡で、ツアーでは省略されることも多いですが内壁に彫られたレリーフは見ごたえ十分です。
五つのうち三つの塔は屋根なくなっています。
中央塔の中にはヴィシュヌ神のレリーフがあります。
狭い内壁三面に余すことなく見事に多種多様なヴィシュヌ神が彫られています。
↓右側にいるのはガルーダに乗るヴィシュヌ神。
五つ並ぶ塔の一番右側の祠堂の中には彼の妻である「ラクシュミー」のレリーフがあります。
【観光の所要時間】 20分くらい
以上、いかがだったでしょうか。
シェムリアップに観光に来られた方であればほとんどの方がこの「小回りコース」を体験することになると思います。
↓小回りコースの最後にプノンバケンで夕日鑑賞も定番ですね。
↓「大回りコース」に関してはこちらです。
↓シェムリアップから行ける有名な遺跡一覧
最後までお読みいただきありがとうございます。