シェムリアップの有名な観光コースに「アンコール大回りコース」というものがあります。
観光の予定を立ててると一度は目にしやすいコースですが、実際のところどのような遺跡があるのでしょう。
もっとも勘違いしやすいのが、名前が「大回り」なので「小回りコース」よりも沢山の遺跡が観光できて大回りコースの方がいいんじゃないかと思うことです。
ですが、そうではありません。
一番有名なメインコースは小回りコースなんです。
この記事ではそのあたりも含めて「アンコール大回りコース」についてご紹介いたします。
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①大回りコースにアンコールワットは含まれない
シェムリアップには一番有名で重要なコースに「アンコール小回りコース」というのがあります。
この「アンコール大回りコース」も名前も似ていて、場所も同じ辺りなので2番目くらいに重要なコースかと思いきや実はそうでもないんです。
小回りコースはこちら↓
1、大回りコースと小回りコースは別物
「せっかくカンボジアまで来たんだから小回りより大回りでしょ!」ってな感じで行く気満々になっている方には、まず読んでもらいたいのがここです。
地図上で見ると、「アンコールワット」や「アンコールトム」も通るので観光するのかと思いがちですが、大回りコースにはアンコールワットやトムは含まれず、観光はしません。
遺跡の前を通ったとしても、素通りします。
遺跡は基本的に小回りか大回りのどちらかにしか所属ができないようなつくりになっています。
なので大回りコースに含まれる遺跡は小回りコースの周りに点在する遺跡群のことを指します。
2、大回りコースの価値は人それぞれ
このアンコール大回りコースですが、小回りコースにある遺跡群と若干似ているという点があります。
小回りコースでどの遺跡も同じように見えてきたり、少し飽きてきた方にはあまり面白くないかもしれません。
そういう方には遠方の遺跡やトンレサップ湖などに行った方が雰囲気も違って楽しめるかと思います。特に日本人の方だと小回りコースの次はベンメリア遺跡の人気が高いですね。
もちろんだからといって大回りコースの遺跡の価値が低いとかそういったことではありません。
遺跡好きの方、歴史的な意味や背景まで好きな方には非常に見応えのある遺跡群だと思います。
②アンコール大回りコースの所要時間・相場など
1、大回りコースの所要時間
- 所要時間:4~5時間くらい
大回りコースにはアンコールワットのような巨大なメイン遺跡がないので、所要時間も短めです。早い方は3時間くらいで見終わるかもしれません。
2、トゥクトゥクや車の料金の相場
- トゥクトゥク $15~$20
- 車 $30くらい
だいたいこれくらいですね。ガイドは付けずに車両だけチャーターした場合の相場です。
安く観光したい方は一日で小回りコースといっしょに回ってしまう方法もあります。
かなり急ぎ足になると思いますが、別々に二日間に分けて回るよりは安くできるでしょう。
3、遺跡の入場料
大回りコースにある各遺跡にはアンコールチケットが必要になります。
(1日券 $37 / 3日券 $62 / 7日券 $72)
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③アンコール大回りコースにある遺跡
それでは「アンコール大回りコース」にある遺跡群を時計回りに順にご紹介いたします。
ちなみに「大回りコース」は英語では「Big Circle」、「Grand Circle」、「Grand Tour」などと呼ばれます。
1、プリアカン【Preah Khan】
最初に到着するのが大回りコースの中では一番広い遺跡である「プリアカン」です。
通常に西側から入りますが、東からでも入ることができます。
この「プリアカン」に限らず両サイドに出入り口がある遺跡では、片方で降ろしてもらって、反対側でドライバーに待っていてもらうと効率的です。
さっそく入り口から興味深いものが並んでいます。
リンガを模した石柱に下部にガルーダ、上部は削り取られた彫刻というものが出迎えてくれます。
※仏教関係の彫刻は後に入ってきたヒンドゥー教によって削り取られたとされています。
広い遺跡なのでしばらく何もない森の小道を歩きます。
本堂に到着すると頭のなくなった像が入り口をがっちりと守っています。
顔や上半身だけなくなっているデバター像
中央祠堂を東側にぬけると踊り子のテラスと呼ばれる場所があり、13人のアプサラが並んで踊っているレリーフがあります。なんだかかわいらしいですね。
踊り子のテラスの北側にはアンコール遺跡では珍しいとされる2階建ての建造物が残っています。なかなかの美しいプロポーションです。
このプリアカン遺跡のメイン写真にもよく使われます。
東側から見たプリアカン。
左手の方には「タ・プローム遺跡」を彷彿とさせる大木が遺跡に絡みついています。
さらに外の外壁にはナーガを踏みつける大きなガルーダの彫刻があります。(西門の壁にもありますが、東の方がおすすめ。)
高さは約2メートルくらいあって迫力があって、どこか愛嬌さえも感じます。
そのまま東へ抜けるとニャックポアンのある貯水池が見渡せます。
ここでココナッツ・ジュースを飲みながら一休憩。1ドルでした。
所要時間の目安:約1時間
※ちなみにシェムリアップから約100㎞離れたところに「大プリアカン」という遺跡がありますが、この大回りコースの「プリアカン」とは別の遺跡となります。
2、ニャック・ポアン【Neak Pean】
貯水池の真ん中あたりにポツンと現れる遺跡。
大回りのメイン通りで車やトゥクトゥクから降りて、池の間にあるすれ違うのがやっとの細い道をずーと400mくらい歩いて行った先にあります。
【追記】この細道ですが、現在は新しくキレイな橋が作られました。
まわりの池の風景がマンガに出てくる崩壊後の世界のように見えるのは私だけでしょうか!?
沼地のような池に緑のない枯れたような木々が立ち並ぶ…
長い細道を抜けると、遺跡があります。
池の真ん中に中央祠堂があり、それを囲むように東西南北にも小さな池があります。
現在は途中で立ち入り禁止になっているため一周することはできません。
柵や池に囲まれているため見学できる場所も少ないのですが、中央祠堂のたたずまいが心に残る個人的にも好きな遺跡のひとつです。
地元のカンボジア人にも人気が高く、他の遺跡に比べてカンボジア人も訪れる人が多いです。
所要時間の目安:30分くらい
3、タ・ソム【Ta Som】
四面顔を持つ西側の門から入って行きます。
「見て~新しいイヤリングきれいでしょ?」とでも言わんばかりの珍しい格好のデバター。
入り口と反対側の東門は木で覆われています。
幹なのか根っこなのかよく分からないけども、ものすごい生命力を感じる大きな木。
タ・ソム遺跡の北側には公共のトイレもあります。
大回りコースのちょっど中間くらいにあたるので、心配な方はこのあたりでトイレに行っておきましょう。
所要時間の目安:30分くらい
4、東メボン【East Mebon】
「東メボン」はもともと東バライと呼ばれる大きな貯水池の中央に作られたとされる遺跡です。
現在は水がなくなっていて、池は存在していません。西バライは今もシェムリアップ空港の近くに健在しています。
遺跡の四方の角には、この辺りでは珍しい大きなゾウの像が立っています。
次の「プレ・ループ」に少し雰囲気が似ているのですが、プレループの方が迫力があるので印象が薄くなりがちな東メボンでした。
所要時間の目安:25分くらい
5、プレ・ループ【Pre Rup】
大回りコースの最後に現れるのが赤茶けた色合いの遺跡「プレ・ループ」です。
ピラミッド型に造られた遺跡で高さもあり、壮大な雰囲気がただよいます。
東側の入り口から見ると、マンガに出てくる敵のボスが待ちかまえる要塞のような迫力があります。
上へ登る階段はけっこう急なので気をつけてあがってくださいね。いちおう北側には木で作られた階段もあったのですが、そちらの方が壊れそうでちょっと怖か ったです…
登りきるとアンコール遺跡エリアの大自然やプレ・ループ遺跡を見下ろせたりで壮大な景色が楽しめます。
プレ・ループ内には沢山の祠堂がたっているのですが、そのほとんどの祠堂で本当の入り口以外の三面はキレイに偽の扉がつくられています。
レリーフも面白いものが残っていて、こちらはイノシシの顔を持つ「ラクシュミー」。
またこの「プレループ」遺跡は夕日鑑賞スポットとしても有名です。
所要時間の目安:35分くらい(夕日鑑賞の待ち時間はのぞく)
6、露店やトイレなど
遺跡の前にはだいたい露店が並んでおり、飲み物やお土産が購入できます。
食べ物はちゃんとしたレストランは場所によりますが、パイナップルの果物などはあちこっちで売ってます。
また大回りコースの途中には公共のトイレが数カ所あります。プリアカンの北側とタ・ソムとプレ・ループの近くにあります。
めちゃくちゃキレイでもないけど、そんなに汚くもないです。
トイレはアンコール・パスを持っていれば無料で利用できます。
④プレループでの夕日鑑賞【Sunset】
「プレ・ループ」は夕日鑑賞スポットにもなっています。
大回りコースのちょうど最後のポイントになるので、観光の締めに夕日をみて帰るのもおススメです。
普段から赤茶けた色合いのプレループですが、夕日に染まってよりキレイに輝いています。
夕日鑑賞ポイントは遺跡の一番上の西側です。
前の方にはすでに座って場所どりしている人達もいました。
日差しが傾いているとはいえ、長時間いると何気に暑いので良い場所を確保したい方は日焼け対策をしていきましょう。
人気はありますが「プノンバケン」ほどの混みようではないので、みなさん思い思いのポーズをとって写真撮影していました。
最後はアンコールの大森林の中へ夕日が落ちていきます。
↓夕日時間の目安などもこちらに書いてますので合わせてご覧ください。
以上、いかがだったでしょうか。
あまり興味のない人にはサクッと終わってしまい、逆に遺跡好きの人やマニアックな人にはじっくりと楽しめるアンコール大回りコース。
あなたのお気に入りの遺跡は見つかりましたか?
↓少し遠いですが、さらに北にある珠玉のレリーフが揃う「バンテアイスレイ遺跡」
最後までお読みいただきありがとうございます。