シェムリアップにはたくさんの遺跡がありますが、
遠方の遺跡の中で日本人に絶大な人気を集めているのが「ベンメリア」遺跡です。
遠方の遺跡にもかかわらず、ジブリ映画の「天空の城ラピュタのモデル」にもなったともいわれており日々たくさんの観光客が訪れます。
崩れた廃墟ような状態の遺跡に木々が絡まっている光景がまるで探検をしているようなワクワクした気分にさせてくれる遺跡です。
この記事ではそんな旅行者を魅了してやまない「ベンメリア」について詳しくご紹介いたします。
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目次
①ベンメリア遺跡の行き方と所要時間
まずはベンメリア遺跡への行き方や、観光に必要な所要時間です。
1、ベンメリア遺跡の行き方
ベンメリア遺跡はシェムリアップから北東へ約60kmほど離れた場所にあります。
かなり遠いので観光に行く場合はツアーに参加したり、トゥクトゥクをチャーターして行くことになります。
移動時間は片道で1時間半くらいです。
トゥクトゥクの場合は道の状況や乗車人数により2時間くらいかかることもあります。
ベンメリア方面へ行く乗り合いバンやバスに乗って途中下車ということもできなくはないですが、帰りの交通手段が確保しずらかったりと上級者向けなのでおススメしません。
※2023年10月よりシェムリアップ・アンコール国際空港が開港になりました。
新空港はベンメリア方面の立地のため、到着時や帰国時などに空港と合わせて観光するとアクセスが楽になりますよ。
2、観光の所要時間
ベンメリア観光の所要時間はだいたい1時間程度です。
ツアーの全体で考えると往復の移動時間を含めて、約4~5時間くらいと考えておけばよいでしょう。
ベンメリア遺跡のみで行く場合は半日ツアーといった感じです。
なので夕方のフライトで帰るという方は午前中に観光することも可能です。
②ベンメリアへのツアーやトゥクトゥクの相場
ベンメリアまで自分でトゥクトゥクをチャーターした場合や、ツアーに参加した時のおおよその相場を見ておきましょう。
1、チャーターの相場
ガイドなどは付けずに、個人でチャーターして行く場合の相場です。
※各車両1台当たり往復の料金です。
- トゥクトゥク $30~45
- 車 $60~80
トゥクトゥクは道端でもチャーターできますが、車の場合は通常旅行代理店などに手配をお願いすることになります。
トゥクトゥクのチャーターはベンメリアは距離があることもあって、けっこう料金の幅があります。
旅行会社や宿などにお願いする場合は少し高くなりますが、やはり安心感はあります。
流しなど道端のトゥクトゥクの場合はがんばって交渉したり、安いドライバーを探せばかなり安くなることもあります。
※ただ交渉はほどほどにしてあげてください…以前に$20まで値切って(しかも4人乗り)はしゃいでる方がいましたが、ドライバーが少し可哀想でした。帰ってきてからブツブツ、ブツブツ言ってました。
2、日本語ガイド付きツアー
車で日本語ガイド付きのツアーだと、ひとり40~60ドルくらいでしょうかね。
※こちらは一人当たりの料金です。
ベンメリアは崩壊して乱雑としている遺跡なので、事前知識がないと何が何なのか分からないかもしれません。ガイドの説明があると分かりやすいし理解も深まりますよ。
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3、他の遺跡との組み合わせ
ベンメリア遺跡に行く場合は、ほかの遺跡と組み合わせていくことも多いです。
ベンメリアに行く道の、そのさらに先にあるのが「コーケー遺跡」や「プレアヴィヒア寺院」。
逆にベンメリアに行く途中によりやすい場所は「ロリュオス遺跡群」や「コンポンプルック(トンレサップ湖)」があります。
他にも国道6号線を利用せずに北方面の「バンテアイスレイ」などと組み合わせるツアーもあります。
4、車かトゥクトゥクどちらがおススメ?
ベンメリアは片道で1時間半くらいかかりますので、予算に余裕がある方は車をおススメいたします。
車の場合はまず暑さ対策になります。
エアコンも効いているので車内で安心して寝れるし、観光で疲れた体を休めることができます。
あと砂ぼこりも防げますね。
トゥクトゥクはわりと揺れるので、座ってるだけでも長時間になると意外と疲労がたまったりもします。特に乗車人数が多いときとかですね。
たまにバイクを自分でレンタルして行く方もおられますが、あまりおススメできません。
やはり見知らぬ土地で運転するのは何かと危険が伴います。
実際にバイクをレンタルして、二人乗りで行って事故にあった方もおりました。
事故の原因はスピードの出し過ぎで曲がり道を曲がり切れず転倒したようなので自業自得なのですが。せっかくの旅行中に事故するほど悲しいことはありません。
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③ベンメリアの入場料
ベンメリアは「アンコールパス」での入場となります。
ベンメリアへ向かう道の手前でもアンコールパスを購入することができます。
※遺跡より少し離れているのでお気を付けください。
キレイめのお手洗いもあるので、トイレ休憩によることもできます。
アンコールパスをすでにお持ちの方は特にこちらのチケットブースに立ちよる必要はありません。
※ちなみにベンメリア遺跡の入場がアンコールパスになったのは2020年1月1日からで、それまではベンメリア専用のチケット5ドルでの入場でした。
④ベンメリア遺跡の概要
ベンメリア遺跡の見どころはなんといっても木々と崩れた遺跡の融合です。
その様子が廃墟っぽい雰囲気をかもしだしており、探検しているような気分を味わえます。
1、ベンメリア遺跡の歴史
ベンメリア遺跡はヒンドゥー教の寺院(ところどころ仏教も混じっている)で、建設期は「アンコールワット」よりも少し前だといわれています。
しかし明確な記録や文章が残っていないため、詳細はいまだに不明です。敷地は広々としていますが、平面型の寺院なので高さはあまりありません。
「アンコールワット」と比べると似ているような箇所も多く「東のアンコールワット」と呼ばれることもあります。
立地はアンコールワットから東へ伸びる古代の王道と呼ばれる道上にあり、「アンコールワット」とこの「ベンメリア」、そして「大プリアカン」と大きな遺跡が一直線上に結ばれています。
重要な役割を担っていたことが推測されます。
2、英語では「Beng Mealea」・発音
ベンメリアは英語で書くと「Beng Mealea」と書かれることが多いです。
カンボジア語では「បឹងមាលា」で、「花の池」のような意味があります。
日本語読みで行くと一本調子で「ベン」の方が強調されるイメージですが、これ読み方だとたまに通じないことがあります。
どちらかとうと後半の「リア」あたりが強調されるので、伝わらない場合は少しアクセントを変えてみましょう。
3、観光時の服装
ベンメリアは特に服装の規定はありません。
足場がわるい場所も多いので動きやすい服装に運動靴がのぞましいです。
4、意外とメインの写真撮影スポットがない
意外なのがベンメリア遺跡にはこれといったメインの写真撮影ポイントやアングルがありません。
有名な観光地や遺跡では紹介される際にメインの写真にされるポイントや、旅行者が写真を撮りたがる場所がありますよね。
それがベンメリアにはあまりありません。
ベンメリアは遺跡全体の様子や雰囲気が特徴のようになっています。
シンボルのような場所がない代わりに、どこから写真を撮ってもいい感じになるという不思議な遺跡です。
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⑤ベンメリア遺跡の観光と見所
1、遺跡の南側から入場・パスチェック
ベンメリア遺跡はだいたいの人は南側から入場します。
(この前見たら西側も入場できるようでした。北と東は未確認です。)
まずアンコールパスのチケットチェックがあります。
本来の遺跡の入り口は東側なので、アンコールワットのように正面から中に入ってるわけではありません。
外濠にあたる場所。
ちょうど雨季がおわった頃の時期、何かの葉っぱがしげしげと育っています。
道の脇にシンハの像が転がっています。
この像なぜか遺跡の内側を向いて(ふつうは外を向いている)落ちてるというか脇に転がってるんですよね…自分の過去のアルバムとか見たら、気になるのか何故か毎回このシンハの写真撮ってた(笑)
2、ナーガの彫刻
中心部へ向かうとナーガが並んで出迎えてくれます。
ベンメリアの参道・テラス付近はとてもナーガの彫刻が多いんですよね。
ナーガはインドの神話にでてくる複数の頭をもつ蛇です。
7つ頭のナーガが多いのですがベンメリアには5つ頭のナーガもけっこうあったり。
修復などもありかなりキレイなナーガも見かけられます。
東側のテラスには「ベスト・オブ・ナーガ」と呼ばれるナーガがあるようです。
ちょっと探したけどどれか分かりませんでした…
立ち姿が凛としてカッコいいですがたぶん違います。
これでしょうか。
このナーガはどこか愛嬌があって可愛らしいんですがおそらくこれも違います。
では代わりに自分が一番気に入ったナーガをご紹介。
オシドリ夫婦かのように二人並んでちょこんと鎮座してる姿がグッドでした。
3、歩道に沿って観光
ベンメリア遺跡内は歩道が設置されているので歩道にそって観光して行きます。
最初に歩道でこえるのが第三回廊にあたる部分になります。
遺跡の上の方へ登る部分もあります。
その先にある光の入らない暗く怪しい箇所(何に使用されてたのか謎らしい)ですが、立ち入り禁止になってました。タイミングがわるかったのか…
回廊の壁にはアンコールワットを連想させるような連子状窓が並んでいます。
中央祠堂は崩壊しており、瓦礫の山となっています。
4、インドラ神やラーマーヤナのレリーフ
ベンメリアの見応えのあるレリーフは歩道に入ってすぐの直線のところに並んでいます。
最初に左手にある破風の部分に見えるのが「インドラ神」のレリーフです。
その先にあるのはラーマヤナの「シータ姫が火の中に身を投じるシーン」のレリーフです。
こちらは中央付近にある「乳海攪拌」の様子が描かれたレリーフです。
5、東西南北の角にデバター
第三回廊の東西南北にあたる角にちょっと見栄えの良いスポットがあります。
ちょうど瓦礫の山の上に建つように残っており、その頭から上から木が覆い茂るように広がってます。左右にはデバターの彫刻が複数ならんで彫られています。
こちらは南西の角にあるデバター像。
ベンメリア内でデバターが見られるのはここくらいな気がします。
⑥ベンメリア遺跡の周辺
1、食事、レストラン
ベンメリア遺跡の南側にはローカル向けの食堂やドリンクなどが販売されています。
飲料水やココナッツジュースなど飲みながら小休憩することができます。
ベンメリア南側すぐ目の前にあるお店で食べた昼ごはん。
ご飯と炒め物にココナッツジュース。合計で9000リエルでした。
キレイか分かりませんがトイレは遺跡内にもありました。
他にもチケット売り場もしくは食堂などでもご飯を食べたついでにちょっと「お手洗い貸してください」といえば使わしていただけることも多いです。
2、石切り場、小遺跡
ベンメリア遺跡の北西のあたりには遺跡の建設に利用された「オートモーダップ」という石切り場があります。
遺跡の東側にある貯水湖跡周辺にもマイナー遺跡がいくつか点在しています。
ツアーなどの場合は寄るのは難しいかもしれませんが、チャーターなど予定に融通はきく場合は寄ってみるのもいいでしょう。
⑦天空の城のラピュタのモデル
ベンメリア遺跡にはスタジオ・ジブリの映画「天空の城ラピュタ」のモデルとなったという噂があります。
実際のところはどうなんでしょう。
あくまで私個人の推測ですが、残念ながら答えは「NO」だと思います。
ベンメリア遺跡が発見され一般公開された時期と天空の城のラピュタの公開日を見ると、
いくら宮崎駿監督といえどもこの遺跡をモデルにしたとは考えにくいのです。
映画の公開時期にはまだベンメリア遺跡は一般的に発見・公開されていないのです。
さらに言えば天空の城ラピュタのモデルになったと噂される場所って、他にも世界中にいくつもあるんですよね。
とはいえ、天空の城ラピュタの雰囲気は十分に感じられる空間です。映画の世界に迷い込んだ気分で観光するのも面白いかもしれませんね。
⑧現地の子供ガイド
こちら余談になりますが、私が初めてベンメリア遺跡に行ったとき(2011年)の話です。
そのときは一人だったのですが、遺跡の周辺に住んでいるのであろう現地のカンボジア人の子供が遺跡内を案内してくれました。
※もちろん後でチップの要求はありました。
遺跡内は自分たちの庭だと言わんばかりに、
「えっ!そんなとこ行くの?」と思うような道を彼らはズンズン、ズンズンと進んでいきました。
細くて高い塀の上なんかも歩いて行くから、怖かったもんです。
落ちたら冗談なしに危険なレベル。
下は崩れた岩場みたいなもんですからね。打ちどころわるかったら、一命の危機ですよ。
病院だって近くにあるのかも分からないし…
でも楽しかったですね~
この前(2023年)に行ったときはもう自由に遺跡内を歩き回ることはできなくなっていたし、瓦礫の中で遊んでる子供たちも見かけなくなっていました。
以上、いかがだったでしょうか。
少し遠いですがジャングルのような神秘的な魅力を放つ「崩れた遺跡ベンメリア」
ぜひ皆さんも行ってみてくださいね。
↓ベンメリアとよく組み合わされる人気の長距離遺跡「プレアヴィヒア」
↓高床式住居のならぶトンレサップ湖「コンポンプルック」
最後までお読みいただきありがとうございます。