カンボジアの世界遺産「アンコールワット(Angkor Wat)」
世界中に数ある世界遺産の中でも有数の知名度と人気を誇ります。
カンボジアでは国旗にも描かれており、カンボジア人とっても大切な場所であります。
この記事ではアンコールワットに初めて行く方を想定して、初歩的な事から分かりやすく観光を楽しめるように心がけて書きました。(それでも長くなってしまいました…)
ぜひ参考にしてみてください。
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目次
①アンコールワットへの行き方・場所
アンコールワットはカンボジアにある「シェムリアップ」という街にあります。
ですので、まずはカンボジアのシェムリアップまでの飛行機のチケットを手配しましょう。
※たまに首都である「プノンペン」と勘違いしている人がいますが、プノンペンからはバスで7時間くらいかかります。
遺跡はシェムリアップの中心地から北側へ約7kmの場所に立地しています。
移動には車やトゥクトゥクを利用することが多いですが、片道約30分くらいが平均です。
行き方はツアーに参加したり、個人でトゥクトゥクをチャーターしたり、自転車で行く人などさまざまな方法があります。
日本で申し込んでもいいし、現地に着いてからでも街中にたくさんのツアー会社があったりトゥクトゥクが走っていますので簡単に見つけることができます。
アンコールワットまでの道順は単純です。
シェムリアップの中心を南北にはしる「シバタ通り」を、まっすぐ道にそって北へ進むだけで遺跡までたどり着くことができます。
②アンコールワットの入場料
アンコールワットに入場するためには「アンコール・パス」と呼ばれる専用のチケットが必要になります。
※「アンコールチケット」とも言います。同じものです。
アンコールパスの購入ができるのはアンコールチケットセンターの一カ所のみとなっています。
遺跡とは離れた位置にあり、アンコールワットの入り口で購入するわけではありませんので注意が必要です。
チケットの料金
- 料金:1日券 $37 / 3日券 $62 / 7日券 $72
↓「アンコールパス」に関する詳しい情報はこちらをご確認ください。
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③ツアーやトゥクトゥクの相場
1、単体ではあまり行かない
実はアンコールワットだけのツアーや、アンコールワットまでの片道だけをトゥクトゥク・チャーターするということはあまりありません。
アンコールワットは「アンコール遺跡群」の中のひとつで、周辺には他にもたくさんの遺跡があります。
そのため近くの遺跡とセットになって観光する場合がほとんどです。
中でもアンコールトムとタプロームが有名で、アンコールワットを含むこの3大遺跡を回るのが「アンコール小回りコース」です。
↓その王道ルートとなる「アンコール小回りコース」の詳細はこちら
2、ガイド付きツアーの相場
日本語ガイド付きの車で行く半日ツアーで一人あたり$30くらいから(小回りコース)
一日終日のツアーだと$50前後が多い。
個別で日本語ガイドをたのむと別途で一日当たり$50くらいから。
日本語ガイド付きのツアーを探している方はこちらからでも予約できます。
3、トゥクトゥク・チャーターの相場
ガイドなしのトゥクトゥク・チャーターの場合は小回りコースで$15くらい。
(朝日とか夕日をつけると少し高くなる)
アンコールワットだけ往復だと$7~10くらいかな。
片道だと$5とかでも行ってくれるけど、どうせ帰りも必要になるので往復で頼んだ方がいいです。
※トゥクトゥクの料金は1台あたりになるので、数名で乗れば割り勘できます。
※またガイドをするためには資格が必要となるのでドライバーはガイドをできません。
↓チャーターが不安な方はこちらも合わせてどうぞ
4、所要時間など
観光の所要時間はツアーだとアンコールワット単体で1時間~1時間半くらい。
時間が決まってないときは2時間くらいを目安にしておけばよいかと思います。
アンコールワットの入場時間は5:00~17:30まで。
④アンコールワットの歴史
アンコールワットは12世紀の初頭に当時のアンコール王朝の王であるスールヤヴァルマン2世によって建設されました。
現在カンボジアは上座部仏教が大半を占めますが、当時はヒンドゥー教が中心でした。
またアンコール遺跡群では入り口が東向きの遺跡が多いですが、アンコールワットは正面が西側に向いています。
諸説あるようですが、アンコールワットは王様のお墓の意味も込められているからだと言われています。
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④アンコールワットの構造
アンコールワットは四角いエリアに左右が対象になるように造られています。
四角いエリアの一番外側には外濠といわれる池のようなもので囲まれています。
この外濠の一辺は約1500メートルあります。
その外濠の内側は背の高い木々で覆われているため、正面である西側以外からはアンコールワットの姿が見えなくなっています。
設計はかなり綿密にされていると思われ、なかなか全体の姿を見せてくれないという特徴があります。
正面から歩いて行ってもすぐに姿を隠してしまい、出し惜しみをするようにじらしてきて神秘性を高めてきます。
城壁の中も余裕の持った設計がされており、芝生の広がるエリアが沢山あります。
それがまた日本の余白の美につながるような美しさを感じさせます。
外濠をわたり城壁をくぐると約600メートルある参道が続きます。
建物の中心には高さが約60メートルの中央祠堂が建っており、それを囲むように第一回廊、第二回廊、第三回廊があります。
中央にそびえ立つ塔の数は全部で5本あります。
正面から見ると3本に見えたり、時には木々に隠れて一本しか見えなかったりします。
⑤アンコールワットの観光
では実際のアンコールワットの観光の様子をご紹介いたします。
現在アンコールワットの正面付近は車両の通行は禁止になっているので、その周辺の駐車場で車やトゥクトゥクを降りて徒歩で向かいます。
駐車場周辺にはレストランや軽食お土産屋などの露店が並んでいます。
1、西側から外堀を渡る
アンコールワットを囲む外堀をまず渡ります。
正面の道は現在修復中のため、となりに作られている仮設の浮き橋を渡ります。
浮き橋の手前でチケットのチェックがあります。
チケットは共通パスなのでチェックが終ると手元に返ってきます。
この仮設の橋、浮き橋なだけあって歩くと少しフワフワと揺れます。
城壁に近づくにつれてアンコールワットは見えなくなっていきます。
2、姿を現すアンコールワット・西塔門
城壁は数カ所通れる場所があり、現在は浮き橋の先にある右側の入口から入る人も多いですが、やっぱりここは真ん中正面から入るのがおススメです。
中央のひとつ右側の入り口には約4メートルの高さのヴィシュヌ神の像が祀られています。
では正面から入って行きましょう。
隠れていたアンコールワットが少しずつ見えてきます。
抜け切るとついにアンコールワットが全貌をあらわします。
ついにやってきた気持ちで胸が高鳴る瞬間です。
3、西参道と聖池
参道を歩く間も左右の木によってアンコールワットはチラチラと姿を消します。
長い西参道まわりは芝生になっており猿がいたり馬がいることもあります。
お猿は観光客の人気者です。
左右には経堂があり、その先に聖池があります。
この聖池は朝日鑑賞を含め池にうつる「逆さアンコールワット」でもっとも有名な写真撮影ポイントです。
特に左側の池の方が人気が高く、池のとなりにはお土産屋や軽食屋が並んでいます。
また近づけば近づくほどまたまたアンコールワットは隠れていって見えにくくなっていきます。
4、レリーフがぎっしりの第一回廊
一番外側の第一回廊はレリーフでぎっしり埋まっており、アンコールワットの見どころのひとつです。
ガイドを付けてない場合は何が何かわからないと思いますが、じっくり見て行きましょう。
有名なところや人気のあるレリーフのところには人が集まっています。
南面東側の「天国と地獄」
上下三段に分けて描かれています。
こちらが閻魔大王で、手が18本あるらしいです。
また天国と地獄周辺は天井もキレイなレリーフが残っています。
東面南側の「乳海攪拌」
中央で指揮をとるヴィシュヌ神。
5、沐浴の場の十字回廊
第一回廊と第二回廊の間には「十字回廊」があります。
十字回廊には4つの低くなった場所があり、沐浴に使われていた場所です。
ここではゆっくり座っていたり、ポーズを決めて写真を撮ってる人も多いですね。
十字回廊の真ん中の地面に色の違う四角の石があるのですが、ここはアンコールワットのちょうど真ん中になる場所になります。
みんなで囲んで写真を撮っています。
南側には仏像たくさん祀られており、現地のカンボジア人がお祈りを捧げています。
またこの近くに日本人(森本右近太夫)による初めての落書き(?)といわれるものがあります。
※落書きは数カ所ありますが、ここのが一番有名です。
6、デバターが踊る第2回廊
十字回廊を過ぎると次は第二回廊があります。
第二回廊は一段と高くなっており、階段を登ります。
回廊の中はさほど見どころはなく第三回廊との間のスペースが観光ルートになっています。
東側には第三回廊へ登るための階段があり、人が多いときは長蛇の列ができることもあります。
アプサラの格好をした人達がいました。(たぶんいつもいる。)
第二回廊の外壁にはたくさんのデバターが彫られています。
南西側の角には圧巻の14体のデバターが並んでいました。
十字回廊のある西側以外は第一回廊と第二回廊の間には芝生がしきつめられていて、穏やかな空気がながれています。
7、アンコールワットの聖域・第三回廊
アンコールワットの中心部となる第三回廊は王が神と交信した場所とといわれており、非常に神聖な場所です。
一層と高い位置につくられており、登るためには待ち列に並ばなくてはいけません。
入場規制があり一度に第三回廊に登れるのは100人程度までとなっています。
人が降りて来るまでは階段の下で止められます。
※仏日は上がれなくなっているので注意しましょう。
登る階段はかなりの急角度なので気をつけて登りましょう。
上から見るとこんな感じ。
第三回廊の間には十字回廊にあったような4つの沐浴所があります。
真ん中の中央祠堂には各4方面にむかって像が祀られています。
ちなみにこれ以上うえへ登ることはできません。
一段と高くなった第三回廊からは、周囲の景気が一望できます。
豊かな自然に囲まれているのがよく分かります。
西側からはまっすぐに伸びる西参道が見わたせ、遠くにはアンコールバルーンが浮かびます。
8、裏側の東塔門
アンコールワットは裏側にあたる東側からも出入りすることができます。
通常あまり行くことはないと思いますが、軽く様子をご紹介いたします。
第一回廊のすぐ側にストゥーパがたっています。
参道も西側のような壮大なものはなく、木々に囲まれた砂利道が続いています。
東参道からは両サイドの木々に隠れて中央祠堂の一本しか姿がみえません。
東塔門は赤く変色してきています。
9、露店とトイレ
第一回廊の南西側の角から芝生の道を南へ歩いていったところに、公共のトイレがあります。
寺院があり、露店もあるのでココナッツジュースなども飲めますよ。
ひとつ$1です。
10、表現豊かなデバター集
アンコールワットにはたくさんのデバターが彫られています。
じっくり見てると非常におもしろく、アンコールワットで見られるデバター集を少しご紹介いたします。
↓手をつなぐ仲良しデバター(西塔門)
↓「大丈夫だって~」と友を励ますようなデバター(西塔門)
↓無防備な姿のデバター(第一回廊東側)
↓不気味な崩壊具合のデバター(十字回廊)
↓下書きなのか落書きなのか線だけ残るデバター(第二回廊)
↓おちゃめなポーズをとるデバター(第三回廊)
↓赤く染まるデバター(東塔門)
11、個人的な感想
最後にひとこと。
私もアンコールワットは大好きな遺跡のひとつです。
たくさんある遺跡の中でもやっぱり何か特別感を感じるんですよね。
何がそんなに惹きつけるのかなぁと改めて思ったんですけど、アンコールワットという響き、シルエット、余裕のある空間、建造美なのかなと感じました。
アンコールワットは非常に人も多いのですが、回廊の端の方やまわりを囲む芝生エリアなど、窮屈さをあまり感じさせません。ゆったりと座って過ごしている人も多いですよね。
特に外堀のまわりはカンボジア人の憩いの場にもなっています。
絶対的な存在感を示すとともに、ずっといたくなるような優しさも感じさせるそんな遺跡です。
以上、いかがだったでしょうか。
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最後までお読みいただきありがとうございます。